Facebookが自社Beaconの無料配布を開始 AppleのiBeaconと直接対決もあるか?


米Facebookは6月8日、小売業者や商業者に向けて無料でBeaconを提供することを発表しました。このサービスは、同社が1月に発表したPlace Tipsサービスのアップデートの一部です。
Place Tipsは、Facebookユーザーによる特定の小売店舗や商業店舗に関する投稿や写真を、その店舗内でアプリを開いたときに閲覧できるシステムで、もともとは少数の商業者を対象にニューヨーク・シティで試験運用されたものです。Facebookはこのサービスを米国全ての商業者に広めるということを発表し、各店舗ごとに1個のBeacon発信機が提供されます。



現時点ではまだPlace Tipsを通して宣伝はできませんが、ここに可能性があるのは明白です。これまでFacebookは、自社がインターネットにおける顧客ターゲティングでいかに優れているかを訴え続けてきましたが、位置情報に基づいた宣伝やプッシュ通知を取り入れることで、その地位を確固たるものとするでしょう。

参考記事:
http://recode.net/2015/06/08/facebook-is-handing-out-free-beacons-to-retailers/

Facebookの本格進出でBeacon業界はどうなるか

先日BeaconLaboでも取り上げた通り(もしLINEがBeaconを導入したら? Facebook・Twitterの参入から考えるBeacon普及の可能性)、Facebookのように多くのアプリユーザーを抱える巨大プラットフォームがBeaconを導入することの意味は計り知れません。さらに、Facebookのようにサービスだけでなく広告媒体としても優れたプラットフォームがBeaconを導入することは、O2Oマーケティング業界にも大きな意味を持ちます。

出典元:http://newsroom.fb.com/news/2015/01/introducing-place-tips-in-news-feed/

出典元:http://newsroom.fb.com/news/2015/01/introducing-place-tips-in-news-feed/



例えばPlace Tipsはまだほかのユーザーの投稿や写真を閲覧するだけのサービスですが、ここにクーポンや一押し商品の情報を配布する機能が追加されることはいうまでもありません。さらにPlace Tips内に広告スペースを設ければ、周辺のお店にとっては絶好のタッチポイントとなります。

これが発展していけばBeacon発信機は店舗内に止まらず、駅や街角にも置かれるようになり、街中を歩いているだけでプッシュ通知が届くようになるでしょう。こうするとひっきりなしにプッシュ通知が届きそうですが、例えばFacebook内で「いいね」を押しているページの情報のみが届くように設定してあれば、ユーザーにとっても有益なサービスとして受け入れられるでしょう。

AppleのiBeaconも動き始める?

まだアメリカで無料配布を開始しただけとはいえ、今後こうした展開は大いに考えられます。またこうなってくるとApple社が提供しているiBeacon(Apple社が独自に開発しているBeacon端末)の動向に注目が集まります。AppleのiPhoneにはBeaconと連動するアプリPassbookがデフォルトでインストールされていますが、利用者数や広告媒体としての魅力は現時点でFacebookアプリに引けを取ります。

一方で、Appleが本気で自社のiBeaconを普及させようと思えば、iBeaconから発信される信号を優先的に表示するというデバイス提供者ならではの荒技も可能でしょう。またFacebookはアカウント情報からしかターゲティングができないのに対し、AppleはiPhoneおよびAppleアカウントの情報をすべて駆使することができるため、例えばiTunesでダウンロードした音楽の情報からユーザーの好みを割り出し、オススメの曲をプッシュ通知で知らせることも可能なので、まだまだFacebookに追いつくだけの力は十分にあります。

どちらにせよ、今後数年はFacebookとAppleという2大プレイヤーの動向がBeacon業界の未来を占うといっても過言ではありません。

※Facebook、Place Tipsは、Facebook,inc.の登録商標です。
※Apple、iPhone、iBeaconは、Apple Inc.の登録商標です。